晴れたら空に豆まいて

友人のライブを見に、代官山に行ってきた。タイトルは、そのライブが行われた、ライブハウスの名前である。友人というのは、今もお世話になっているペン大のアシスタントを努める三輪裕也氏。彼が主宰し結成されたジャズグループの初ライブ公演である。楽曲はすべて三輪さんのオリジナル曲。ジャズグループを結成し、曲を書き溜め、リハーサルを始めた、というお話を初めて伺ったのが、もう一年以上も前のことになるだろうか。デモ曲の段階から聴かせて頂いていたが、その楽曲の魅力は充分に感じていたので、生演奏で聴くことのできるこの時を、今か今かと心待ちにしていたのだ。

予想をはるかに超えて、素晴らしいものだった。作曲家がこつこつとスコアに書き記し、それを6人の音楽家たちが、それぞれの感性で奏で、ひとつにまとめあげる、というスタイルで生み出される音楽の強さ、美しさ、かっこ良さを、存分に楽しみ、またその価値の大きさを確認した次第である。

三輪さんによって書かれた音楽の一番の魅力は、フロントを飾る3つのホーンによって奏でられる和音メロディーだと思う。トップのトランペットが奏でるメロディーをアルトサックスとテナーサックスが寄り添いながら3和音を形成し、テンションコードやら、和音外音などを織り交ぜながら、同じタイミングで旋律を奏でる。言葉で書くと何だかわけがわからなくなってしまうのだが、この3本のホーンの絡み合う、それぞれの瞬間の響きが、とにかく官能的で美しいのだ。このトランペットとサックスの音色の親和性というのは、マイルスやコルトレーンに代表されるジャズ史が証明している通りである。

とにかく東京で、新しいジャズグループが誕生した。

そんな貴重な瞬間に立ち会えたことを幸せに思う。

「晴れたら空に豆まいて」という一度聞いたら忘れないネーミングの、このライブハウスには、客席の後方にお座敷席があって、どこか和のテイストも持ち合わせた素敵なライブハウスでした。「晴れたら空に豆まいて」、、、「そして地球に緑を増やそう。」はエコロジーの時代にぴったりだ。食いしん坊の私は、「晴れたら空に豆まいて」、、、「上を向いて豆を食べよう。」ということを連想してしまいました。

それでは今日は、この辺で。

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