チャーリー・パーカーwithストリングス
インターネットの呼びかけで長期政権が崩壊したり、独裁政治が転覆したり、民衆に軍隊が攻撃したり、、、そういえば、あのカダフィ大佐って、ずいぶん昔からニュースで見ていたけれど、今も現役の権力者だったんだ、としばらく唖然とする。それにしても、有名大学の入試問題をその場でネットでQ&Aするなんて、すごい世の中になったもんだ。
とさて前置きはこのくらいにして、今日はチャーリー・パーカーwithストリングスについて。ビバップの代名詞、チャーリー・パーカーが、ハープやらオーボエも入っているストリングス隊と一緒に、エレガントな演奏を残しているのを最近知った。名盤といわれていこのアルバム、ストリングスの方は、ピチカートやらトレモロやらの奏法をともなって、この時代の映画やらミュージカルの劇判にもなりそうなモダンではあるが古典的な書法で施された美しいサウンドをバックにサックスを吹いていて、なぜだかそれがよく馴染んで癖になりそうな1枚である。ディズニー映画の中にチャーリー・パーカーが迷い込み「面白そうなのでミッキーやら白雪姫とひとしきり遊んできたよ。」とでもいいたそうなそんな光景が思い浮かぶ。そういえば、スヌーピーのテレビアニメの音楽は、ヴィンス・ガラルディという人が長らく担当し、スヌーピー生誕40年記念アルバムは、チック・コリア、リーリトナー、デイブ・グルーシンなどが参加した豪華なものだ。
かわいいものとジャズって以外と合うんだなぁ、、、。
さて、このチャーリー・パーカーのリリカルなフレーズが聴くことのできるwithストリングス、特に1曲めの「Just Friends」がおすすめです。テーマのコード進行が、DbM7→Gb7→AbM7→E7 。この和声進行の雰囲気がこの楽曲の魅力の大半を占めているといっても過言ではない。キーをCに直すと、FM7→Bb7→CM7→Ab7となって、トニックではなくサブドミナントから始まるのだ。サブドミナントから始まる曲も珍しくはないが、この部分の浮遊感とドミナントトニックの欠如感がどこからくるのか分析してみたところ、以下の3つの要素が浮かび上がって来たぞ。
Key Cで考えることにする。2個目のコードBb7。これは、ふつうのCメジャースケールだと導音となる「シ」の音、これがフラットした音の上にできたセブンスコードだから、遠いところに行ってしまった感があるのがひとつ。
もうひとつは、Key Cを中心に考えると、トニックである「ド」を中心にして、F→Bb→Ab、と、どんどんフラットがひとつずつ増えて行く方向にコードが変化し、モードっぽい雰囲気を醸し出している。
3つめは、このテーマのメロディー構成音が、ホールトーンであるということだ。
これらの要素がうまく混ざり合って、調性のある音楽でありながらドミナント→トニックという強い安定感を想起させる進行の欠けた、調性から逸脱したかの様な魅力的な楽曲となっている。