「ブラック・スワン」のすすめ
木曜日, 5月 26th, 2011久しぶりに劇場に足を運び「ブラック・スワン」を見た。幼少の頃、小学校の体育館で上映されたロシアのバレエ団のビデオ映画で「白鳥の湖」をみてからというもの、バレエ好きなのであーる。
ナタリー・ポートマンは「ブーリン家の姉妹」以降注目の女優さんだったのであるが、予想以上に凄みのある演技で圧倒された。おすすめだ。
前半〜中盤は静〜幻想と描かれている間に、いろんなエピソードが散りばめられ、それが積み重なって、バレリーナの内面に、どんどん引き込まれて行く自分。
中盤から終盤にかけては、チャイコフスキーのあまりにも有名なテーマと一体となって、臨場感溢れる映像がラストシーンまで一気に描かれている樣は圧巻だ。
ナタリー・ポートマンの演技もさることながら、音楽とカメラと編集がこれほどうまく合わさっている映像世界は、これまで経験したことがないほどのの衝撃だった。ストーリー的には、泣かせるものではないのに、気がついたら、落涙していた私。まるで、ライブのミュージカルか、演劇、はたまた重厚な交響曲が奏でられる樣を見ているようであった。ほんとによくできた映画を越えた映画である。脱帽。合掌。
この劇中で使われているチャイコフスキーのスコアは、この映画のために新たに演奏されたものなのか、それとも過去の名演が使われたのか?私は後者だと思うが、いつ頃の録音で、どこのオーケストラと指揮者のものなのか是非知りたい。感動の余韻にひたりながらクレジットを見ていたが、音楽監督やアドバイザーの名前があっただけで判りませんでした。しゅーん。
ブーリン家の姉妹も、私にとっては素晴らしく感激した映画だったのだが、何だか感情移入しすぎた私は、嗚咽寸前の泣きモードに入ったのを思いだすなぁ。
映画の後、文美さんと合流して、美味しいお魚&酒とともに、父の話などでしっぽりする。
私が、父の葬儀を終えて東京に戻ったとき、玄関についたとたん、ドア越しに「にゃーご、にゃーご。」いつになく激しく泣いていて、その上、耳の下に小さなハゲまでつくっていたという、けなげなチルルの話をしたときのこと。文美さん曰く「猫はね、ミチルさんが居ない間、自分がほっとかれたから、泣いているのではなくて、何日も姿の見えないミチルさんのことを心配して、お前は(私のこと)大丈夫だったのかって、泣いていたのよ。」猫も4歳を過ぎると人間の中年の域に達して、独立した魂を持つようになっているのです。「そうか、そうだったのか、ちー、、、。」心配かけてごめんね。ありがとう。私はもう大丈夫だからね!
1週間くらいチルルさんのハゲが治らなかったので心配したけれど、今はもう毛も生えて来て完治しています。