ロンドンオリンピックの日々
火曜日, 7月 31st, 2012「酒とバラの日々」というジャズのスタンダート曲があるが、最近の私は「ゲームとオリンピック観戦の日々」。
明け方寝て、昼前に起き、日中は仕事とゲーム、夕方からまた仕事をしながらオリンピック観戦という毎日。
それにしても、オリンピック選手というのは、過酷な運命を背負っている人たちだなあ、と思う。
人生の前半、ほとんどの時間をそれに注ぎ、8年12年越しのメダルなんて人もざらにいる。
そうして努力を積み重ね、4年に1度、たった一度の瞬間に合わせて挑戦し、そしてあいまいな審判でひっくりかえったりする。
柔道、体操、そして冬のフィギュアスケートも、採点競技の曖昧さ、というのを痛感する。
ビデオ審査があるから、というなかれ、ビデオ審査の時代になったらなったで何回巻き戻してみても、やはり微妙な競技は微妙な競技。
内村選手、最終種目を残して中国にもう追いつけないとわかったことがよほどショックで悔しかったのか、最後の「あん馬」の競技は、もう顔面蒼白でみていられなかった。
それでも、着地以外は、とてもスムースであっぱれな演技だったと思う。
中継でみていたが、イギリスのチームに大しての割れんばかりの歓声の中での演技、ほんとに凄い歓声で「静かにしてよー」私もテレビ観戦しながらイライラしたほどだ。
国際大会に慣れている日本選手団&北京を経験している内村選手であっても、相当やりにくかっただろうと思う。
そんななか着地に失敗してイギリス、ウクライナにも抜かれて4位、と結果が出た時、「あぁ、、、、。」と私もがっくりきて、ずっと我慢していたトイレに行き、出て来たらなんと日本コーチ陣のクレームで審議中の実況。
わぁ、やっぱりライブで見ないといけないなぁ、と痛感しつつ、待つこと10分。ロンドンにいるような臨場感。
結果、日本の体操男子団体戦は銀メダル。
いちおう良かったと胸をなでおろしつつ何か後味悪いなぁ、、、。
チャンネルを変え、水泳の決勝3つで日本が3つ銅メダルを取るのを見てなんだかとってもすっきりして眠りについた。
こっちは陸上同様、タイムで白黒つくから判り易くてよろしい。
とはいえ、それでも、調子が悪かったり、フライングで1発失格だったり、とってもリスキーで、凡人にはなかなか真似できない生き方なのだ。
だからこそ勇気ある彼らの生き方に価値があるし私たちも心から熱い声援を送れるのだ。
そこまで打ち込めるものを持っていることは幸せなことなのだ。
試合後の内村選手は言った。「ぼくにとっては、2位でも4位でも変わらない。銀メダルはうれしいけど、何か後味が悪い。オリンピック会場には魔物が棲んでいる。」
私は、彼は、魔物のような凄さを持った人だと4年前の北京の時から思っていたが、今回、団体戦では、結果にこだわり過ぎて、変な魔物を呼び寄せてしまったのかもしれない。
それでも「銀メダル」とはあっぱれ、と言いたい。
きっとその魔物を見方につけて、次の個人戦では内村選手は必ずや、金メダルを勝ち取るであろうことを確信した。