猛暑の終わりに、、、ツナグ
10月6日公開の映画「ツナグ」の試写会に行って来た。なんと言っても物語のラストで解き明かされる謎のシーンが最大のみどころだ。
主人公の高校生・歩美を演じる松阪桃季と祖母役の樹木希林の演技が、暖かくて、見る人をほっとさせる抑えた演出も秀逸なのである。松阪桃季くんは、梅ちゃん先生のノブ役で毎日見ているので、親しみ深く、今、注目の若手俳優だが、確立されていない素直な演技がこの人の魅力だろう。
直木賞作家、辻村深月の作品が映画化されるときいて原作を読み、そして表現された映像は、文章で味わったイメージそのままだった。
3つの短編が絡み合って、それぞれのエピソードを演じる役者たちもみな主役級で、この映画には脇役がいないのである。
音楽は「ハゲタカ」のときから注目していた佐藤直紀さんが、そっと映像に寄り添うスコアで、見る者の涙腺を動かすのに一役買っている。
脚本・監督は、高視聴率を記録したTVドラマ「JIN-仁–」の平川雄一朗。ファンタジーな物語をリアルに描いた、とっても素敵な映画です。
たった一度だけ、先に旅立った人に会えるとしたら、あなたは、誰に会いたいですか。なんて、ちょっと重いテーマだったけど、見終わった後は、やさしい風にふんわり頬をなでられたような、すがすがしい気持ちになりました。この秋、お薦めの1本です。