MichiruDiary

2014年9月13日、Press Start 2014 のコンサートが終演しました。

オーケストラっていいな！

PSG音源もFM音源も、サンプリング音源もみんなそれぞれ良いけれど、オーケストラっていいな。１００人近い人間がその場で奏でる音というのは、何にも変えられない音響としての凄さがあります。

１８年前にゲームの為に書いた曲を、このたび、コンサート用に編曲したものが、竹本泰蔵指揮による神奈川フィルハーモニー管弦楽団によって演奏されました。作曲に携わるものとして、こんなに幸せなことはありません。

いつもは、作曲したデータをコンピュータで打ち込み、いろんなパートをいろんな音色に振り分け、リバーブなどの効果を施し、音量バランス調整をして、納品という作業が私の仕事で、だいたい最後まで自分で出音を確認できます。生のソロ楽器や、ヴォーカルを入れることがあっても、バックトラックは打ち込みで用意するので、やはり素材を持ち帰るかその場で確認してMIXまで行うことができます。ところが、コンサートホールでのオーケストラ生演奏ライブ、私ができるのは、楽譜（指揮者用の総譜とパート譜）の作成まで。ひとたび楽譜を提出したらリハーサルで出音を確認（パート譜の写譜ミスなど）する以外は、例えば、この部分は低音が足りないから編曲を変えたい、などということはできません。本番の出音は、指揮者、オケの皆様、コンサートホールの残響具合とPAさんの腕によるのです。その他、照明さん、舞台監督さん他、多くのスタッフの人々の手を経て皆様の耳まで届くわけです。

リハーサルで感動、演奏当日のリハーサルでも感動、本番は舞台袖から聴いて感動、そして拍手の中、舞台に出てお話するという、晴れがましく夢のような世界を体験させて頂いたのです。嬉しい反面、たまに飲みに行く以外は引きこもり、主に猫としか会話していない私が「こんなことしていいの？」という恐縮した気持ちで、複雑でした。とはいえ「月下の夜想曲」をもたらして下さったゲームの神様に感謝し、これからも精進してゆこうと思いを新たにしたところです。

聴きにきて下さったお客さま、スタッフ＆関係者のみなさま、どうもありがとうございました。

それでは今日はこの辺で。

終演後の打ち上げにて。

「月下の夜想曲」スコア

癒しのチルルくん