10月のある日に

 

 

01

 

 

突然の、友人の訃報。

 

 

時間は、その友人や飲み仲間と

 

 

いた、20年前の「Bar」へ。

 

 

 

豪快な飲みっぷりの彼が、

 

 

漫画を描く人だということを、

 

 

最初、私は知らなかった。

 

 

ある日のこと。

 

 

わたしは、聞きました。

 

 

漫画を描いているのですね。

 

 

もしよけれは、

 

 

ここに何か書いてくださいませんか。

 

 

 

ふつうの飲み友だちとして、

 

 

接していたわたしは、

 

 

プロの漫画家さんに、

 

 

その場で、絵を描いてくれ

 

 

などという、

 

 

ずうずうしくも、

 

 

厚かましいお願いをしたのです。

 

 

 

「あぁ、いいよ。」

 

 

 

さらさらさら、

 

 

と描いてくださったその絵は、

 

 

ドラエモンの絵。

 

 

「わー、凄~い。ドラエモンだ~。」

 

 

わたしは、そのドラエモンの絵に、

 

 

無邪気に喜び、感激しました。

 

 

 

 

お通夜は、あいにくの雨。

 

 

受け付けを済ませて、会場へ。

 

 

午後6時少しすぎての到着。

 

 

僧侶の読経が、はじまっている。

 

 

ふと見ると、

 

 

豪快な人生を送った、

 

 

その漫画家の作品が、会場前の

 

 

スペースに展示されている。

 

 

 

そして、そこには、

 

 

原画の原稿と、

 

 

子供さん向けの教材漫画が。

 

 

 

キャラクターは、ドラエモン。

 

 

 

その瞬間、

 

 

あの時の「Bar」のドラエモンと重なって、

 

 

瞼が熱くなりました。

 

 

たくさんの子供さんが、

 

 

これからも彼の描いたドラエモンで、

 

 

たくさんのことを学ぶのだなぁ。

 

 

 

心からご冥福をお祈りします。

 

 

 

それでは今日は、この辺で。

 

 

最後までお読みいただいて、

 

 

どうもありがとうございます。

 

 

 

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