30年前の恩師の言葉〜故・兼田先生の想い出〜
土曜日, 8月 5th, 2017
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「兼田敏 作品集 嗚呼!」
私は、高校の音楽科から、大学へ進み、
作曲を専攻して、
故・兼田敏先生の教えを受けました。
兼田先生は、大学で教鞭をとりながら、
吹奏楽コンクールの課題曲を作曲されるなど、
功績を残していらっしゃいます。
8月30日のトークショウ・ライブの準備を
するために、きのう〜今日にかけて、
先生の作品のCDを聴いています。
このCDのライナーノーツを、
兼田先生の友人である作曲家、保科洋氏が
書いています。
そのなかで紹介されている兼田先生の言葉が
印象的です。
先生が、吹奏楽の世界に足を
つっこんだのは “食わんがための処世法”
だったそうです。
私が、ゲーム音楽に世界に飛び込んだのも、
食べて行くために必要だったからです。
何か、今、その言葉を聴くと、
とても先生に親近感を覚えます。
保科先生の言葉を借りると、
兼田先生は、
吹奏楽の邦人作品を世界レベルまで高めた
立役者でもあります。
CDを聴いていると、
その言葉は、全くその通りだと思います。
そんな兼田先生から作曲を学び、
修士課程では、コンピューターと、
シンセサイザーを使った音楽制作に
ついて学び、いよいよ卒業のとき、
当時は、まだファミコンの時代だった
テレビゲーム制作会社にご縁があり、
就職することになったのです。
今でこそ、ゲーム音楽といえば、
ドラクエ、や、ポケモン、
ファイナルファンタジー、などの
ゲームの名前と共に、覚えてくださる
人も増えてきましたが、
当時は、マイナーな世界でした。
私も、どうやってつくるのだろう、
どんな曲をつくればよいのかなぁ、
等、期待と不安で一杯でした。
そんな風だったので、
ゲーム会社の試験を受けて、
合格の内定を頂いたとき、
兼田先生に、果たして、私に、
コンピューターゲーム音楽の仕事が
務まるのか迷って、相談に行ったところ、
教える仕事よりは、むしろ、向いている、
と背中を押して下さったのです。
あのとき背中を押して下さった先生。
“食わんがための処世法”であったとしても、
好きな音楽の仕事ができるということは、
とても有り難いことなのだなぁ、
と思います。
ファミコンでは同時に3音しか使えなかった上に、
データ容量にも制限があって、
その制限のなかで、いろいろと工夫して
音楽をつくることが、
私の、音楽家としての個性を
かたちつくってくれたこと、
また、後に、制限が多いことが特徴になる、
他のジャンルには無い、独特の個性を
もったゲーム音楽、というものの、
特殊な技術習得を、
させてもらえることになったこと、
感謝せずにはいられません。
今日は、恩師の30年前の言葉、
について書きました。
トークショウでは、兼田先生から学んだ、
録音現場のお話や、
ファミコン時代のテレビゲーム黎明期、
における、ゲーム音楽の特異性、
などについてお話する予定です。
どうぞお楽しみに。
「山根ミチル & BNAD LIFE トークショー」
日時:
2017年8月30日
午後7時30分〜
会場:(下方に地図を掲載しています)
「水族館」(東京・新大久保)
入場料:2000円(1ドリンク)
司会進行:
市原雄亮 & バンドライフ編集長 榎本孝一郎
お問い合わせ:
「バンドライフ」編集部
bandlife@proscope.co.jp
榎本孝一郎(080−3093−1522)
「水族館」への行き方
山手線の新大久保駅出口
(改札は1つ、目の前が大久保通り)を出て、
すぐ左に曲がって下さい。
100M位(約2分)行った所の左側
にあります。
看板が出ています。
階段を降りて地下1階です。
総武線の大久保駅からも歩いて5分位です。
「ライブバー 水族館」
03-3362-3777 新宿区百人町1-10-7-B1
それでは今日は、この辺で。
いつもお読みいただいて、
どうもありがとうございます。