デジタルな音楽世界のお仕事について
木曜日, 3月 28th, 2019
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近所にて
お花見の季節が到来しました。
青空に映える桜の淡いピンクが、
今年も見られるのですね。
さて、
今日は、デジタルな音楽のお仕事について
書きたいと思います。
デジタル と一言で言っても色々ありますが、
テンポチェンジについて書いてみます。
コンピューターで音楽を制作するときに、
テンポの設定をします。
曲の途中から早くしたり、遅くしたり、
数値を入れたら、即座に正確に、
指定したテンポでリズムを刻んでくれます。
そういうところはデジタルの最も得意と
するところです。
では、
だんだんゆっくり(リタルランド)演奏したい、
だんだん早く(アチェレランド)演奏したい
場合はどうでしょうか。
もちろん演奏可能です。
ですが、それには「だんだんゆっくり」の
ゆっくり加減を、一つ一つ数値化して
入力する、という作業が発生します。
人が演奏するときは、自然にできるのに、
コンピューターにやってもらうとなると、
ひと手間かかるのです。
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だんだんゆっくり演奏のデータ
この写真は、
音楽制作ソフトの、テンポデータを表示
したものです。
「♩ = 77」の、ゆったりした音楽のデータです。
折れ線グラフに絵を描くように
ささっと入力もできます。
が、ほかにも
だんだんゆっくり演奏する、ではなくて、
この音だけテヌート(少し長め)気味に、
という場合があります。
人が演奏するときは、その音符にテヌートの
記号を書いておけば、
無意識のうちに少し長めに演奏してくれますが、
コンピューターはそうはいきません。
どの程度 長めに演奏するのか、
数値化して入力しなければいけないのです。
数字を入力して聴いて、という作業を繰り返し、
自然な感じに聞こえるまで続けます。
慣れてくると、
大体このくらいの「ゆっくりさせ具合」なら
このくらいの数値、というのが、
わかってきます。
サラリーマン作曲家として、
コンピューターで音楽制作をしていた頃、
アーティスト、作曲家、というよりは、
「私は職人のようだなぁ。」と思うことが
多々ありました。
その理由は、
こういう作業をたくさんしていたからなのかも、
と 改めて感じた次第です。
それでは今日は、この辺で。
いつもお読みいただきまして、
どうもありがとうございます。