坂本龍一コンサート
坂本龍一様、
魂に響くピアノ演奏をありがとうございました。最新作「out of noise」のグリーンランドの氷の解ける音から千のナイフまで、何かこう、コンサート会場というよりは、宇宙にぽっかり浮かんだ空間で音楽を感じている、そんな2時間あまりの芳醇な時間でした。1980年4月、高校の始業式を休んで母とがぼさんと出かけた神戸でのY.M.O.コンサート。あれから29年も経ったとは、長いような、短いような、しばし感慨に耽る私が居ります。Y.M.O.の解散と同時に、熱心に追いかけることはやめてしまった私でしたが、貴方の活躍の様子は、普通に生活をしていてもテレビや雑誌を通してことあるごとにポンポンと飛び込んできました。そして自分のまわりにどんどん熱狂的なファンが増えて行けば行くほど、どこかあまのじゃくなところのある私は、逆に醒めた目で、見てみぬふりを決め込んでいたのでした。最も忙しい時期であったであろう黎明期のテレビゲーム業界に身を投じてからは、1日中ヘッドホンをして作曲&データ制作、聴く音楽といえば、仕事の資料として聴く音楽が多くなり、すっかりY.M.O.や龍一さんのアルバムを聴くことは無くなっていました。それでも私は、フレーズのそこここに、龍一さんの影響が無意識のうちに顔を出すことがあり、自分では意識できず、身近な人からそのことを指摘された時、驚きとともに、なぜだか嬉しかったのです。それは龍一さんの血にドビュッシーの血や、ジョビンの血が流れているのと同じで、私の血にも、龍一さんの血が少し流れているのかな、と今になって思うと嬉し恥ずかしな感じです。
と、今日の日記は、龍一さんへの手紙形式になりました。おこがましい表現もありますが、いちファンのバカ丸出し第2弾ということで、大目に見てやって下さいね。
それでは今日はこの辺で。