「なんでもないや」の魅力について
新海誠のアニメ「君の名は」
エンディングテーマ
「なんでもないや」の魅力について。
急に思い立って観て来た「君の名は」の
エンドクレジット曲「なんでもないや」を
心地よい感動とともに味わいながら、
映画鑑賞を終えました。
RADWIMPS、野田洋次郎さんの歌う、
この曲。
とても印象深い魅力的な
部分があったので、
その秘密をさぐってみました。
歌詞の魅力、メロディーの魅力、
楽曲の魅力はいろいろありますが、
今日は、この曲の和音(コード)進行、
にフォーカスして分析してみます。
楽曲の構成は、
テーマ-A、テーマ-A’、と
テーマ-B、サビの、
4つの部分からできています。
テーマ-A、の部分は、
Ebm → Db → Cb → Gb
この4つのコード(和音)でできています。
テーマ-A’、 の部分も、
Ebm → Db → Cb → Gb
の4つの和音に少し変化したメロディーが
歌われています。
そして、テーマ-B、は
Gb/Bb → Cb → Db → Ebm7
Gb/Bb → Cb → Gb → Gb
のシンプルなコード(和音)進行です。
そして注目のサビの部分は、
Cb → Db → Ebm7 → Ebm7
Cb → Db → Gb → Eb/E / Cm7(-5)
となっています。
テーマ- A、テーマ-A’、 テーマ-B、
がとてもシンプルな循環コードで
できているのに対して、
サビの8小節のうち、
最後の小節は、
1小節のなかで、2拍ずつコードが
変化しています。
この部分に、とても魅力を感じました。
映画館で「えっ?」「今のコード何?」
もう一回聴きたい!
と思ったのです。
この最後の小節、
Eb/E と Cm7(-5)の和音は、
ベースになる音と、
上に乗っかっている音が、
ナチュラルと、フラットでぶつかっていて、
ほんとうなら不協和音に聴こえる音です。
「ミ」「シ」「ミb」「シb」
バッハやモーツァルトには、
決して出てこない音の構成です。
そして、その後の、Cm7(-5)
この和音は、たとえば「ド」「ミ」「ソ」
という一番シンプルな和音の「ソ」の音が
半音下がった和音です。
この場合は、マイナーセブンの和音なので、
「ド」「ミb」「ソb」「シb」となります。
私が「グッ」ときたコード(和音)進行は、
このEb/E と Cm7(-5)の2つの和音です。
「ミ」「シ」「ミb」「シb」
↓
「ド」「ミb」「ソb」「シb」
和音というのは、単体で聴くと、
時が止まった様に、聴こえますが、
こうして、和音が連結して鳴ると、
流れるような効果を生みます。
私は、この部分の魅力はメロディーも含めて、
言葉であらわすとしたら、
どこか、懐かしいような、嬉しいような
切ないような、
緊張と安堵が同居する、
不思議で、それでいて何度も聴きたく
なる、そんな魅力に満ちた
コード進行だと思います。
ほんとうに良い曲です!
それでは今日は、この辺で。
さいごまで、お読みいただいて、
どうもありがとうございました。