高野山金剛峯寺と奥の院
丹生都比売神社参拝のあとは、いよいよ
(ニウツヒメ)
高野山、高野山金剛峯寺へ。
多くの参拝客で賑わっています。
金剛峯寺の枯山水
↓
日本の庭園、枯山水をこんなに近くで見たのは
初めてで、感激しました。
水がなくても水を感じるその心に、こうして
触れることができて幸せです。
日本人、日本文化って、素晴らしいなぁ、
と、ただただ、素直に嬉しくなりました。
この後、
大伽藍の中で、縦に置かれたお賽銭の硬貨をみて、
空海マジックにふれ、
宿坊・持明院で精進料理のお昼ごはんを
頂いたあとは、
いよいよ空海さまのお膝元「奥の院」へ参詣です。
出発まで、バタバタとしていた私は、
何の予備知識もなく、
初めて見る金剛峯寺の屏風絵や、日本庭園の美しさに
驚き&感激をしていたわけですが、次に行く
この「奥の院」が、このような場所であったとは、
全く、想像もだにしないところでした。
まず、全長2kmに及ぶ参道。
その両側には、とても広大な墓地です。
はじめは、
観光地の駐車場やお店があって、
「えっ?ここが、空海さまの近くに行く道なの?」
のような普通の道。
ところが、いろんな企業や有名人の慰霊碑、墓地が
あって、すごいなぁ、と思っていると、
だんだんと、
ただならぬ雰囲気の参道になってきました。
織田信長をはじめとして、戦国武将や、奥方など、
歴史上の人物のお墓や供養塔が、次々と現れます。
「もう、何がなんだか、ここは一体?」
のような感覚につつまれながら、
道を歩きます。
苔でおおわれ、何百年もの時を経た、古くて
とても格式の高い、大きな墓石の数々。
自動車のない時代に、こんなに高いところまで、
どうやって運んだのだろう?
という疑問も湧いてきます。
お墓を通りこして「遺跡」のようです。
アンコール・ワット的な・笑
笑い事ではなく、本当に圧倒されました。
そうこうしているうちに、奥の院へ入る
「御廟の橋」へ着きました。
ここから先は、カメラやビデオの
撮影が全面禁止されている「聖地」です。
帽子も脱いで、歩きスマホも禁止。
お参りをしたあと、建物に入ります。
先ほどの参道の墓地に強烈な印象を抱いていた私は、
「ここは、案外ふつうのところなのね。」
と思いながら、順路に従って地下へ。
と。
そこは、薄暗くて神秘的な場所です。
弘法大師さまの御廟。
敏感な人は、確かに感じています。
空海さまの息つかい、大きな心を。
姿は見えなくても、確かにそこにいらっしゃる。
私も、皆にならって、手を合わせ、
長典男さんからバスの中で教えて頂いた、
「南無大師遍照金剛、南無大師遍照金剛」
(なむだいしへんじょうこんごう)
と、心のなかで唱えていると、
なぜか、涙があふれてきて、あふれてきて、
止まらなくなったのです。
悲しいわけではありません。
嬉しいのとも少し違います。
ですが、あの薄暗い廟の奥に、空海さまの、
宇宙のような大きな心があって、
何人も同じ様に受け入れ、照らしてくださる、
「光のエネルギー」、「愛」、「許し」、
のようなものを感じました。
左側からは、ノイズまじりの低い
ごーっ という音だけが聴こえていて、
その音は、心地よく、
ずーっと聴いていたくなるような音でした。
涙を流しながら鼻水、嗚咽まで出てきた私は、
内心どうしようか、と、コントロールできない
自分の心に困惑しつつ、その、空海さまの
息のような音を聴いていると、不思議と、
気持ちが落ち着いてきて、やっと動けるように
なったのです。
こうして「ゆの里」で観る不思議な映画「くう」
からはじまった2泊3日の旅は終わりました。
それでは今日は、この辺で。
いつもお読みいただいて、
どうもありがとうございます。