弦楽器奏者と鍵盤楽器奏者のメンタルの違い
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ヒーリングハープ
ヒーリングハープという楽器に出会い、
演奏するようになってから、
気がついたことがあります。
それは、弦の調律を自分で行うということです。
これまで、生まれてこのかた、
中学のときに吹奏楽部でトロンボーンを
演奏していたのを除いて、
楽器の演奏といえば、
ピアノかエレクトーンか電子ピアノ、でした。
これらを弾くとき、
調律はすべて他人まかせ(楽器まかせ)です。
ピアノの場合は、専門の調律師さんが行い
エレクトーンは固定、
電子ピアノは、基準音の調整は可能ですが、
「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」
それぞれの音の調律は固定されています。
演奏者が音階のすべての調律を
行うのは、弦、あるいはティンパニのように、
皮を張った楽器だけです。
ヒーリングハープは「くう」上映会の際に、
ロンドンで演奏する機会にも
恵まれました。
ポルトガルの40度近い熱波と、
飛行機の荷物室での低温環境で、
予想どおり、ロンドンに到着したときには、
ハープの音程が狂っていました。
その時に、ふと思ったのが、
楽器の調律を、自分でするということは、
ある意味、大変なことだなぁ、と
気がついたのです。
自分の耳の調子がわるいと、
調律にも影響するわけですから!
もちろん、正確な周波数を出す、
市販のチューナーで調整することもできます。
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市販のチューナー
とはいえ、
特に弦楽器の場合は、温度や湿度など、
その時の環境によって、
微妙に音がずれて行くこともあるので、
つどつどの調律が必要です。
常日頃から、演奏家本人の耳の調子、
というのが試される楽器だと
私は感じました。
今回の旅では、わたしはまだ
市販のチューナーを購入していなかったので、
ロンドンでは、持参した音叉の音をもとに、
自分の耳で、
ヒーリングハープの調律を行ったのです。
というわけで、
楽器の調律を、自分で行うメンタル、というのは、
ピアノのように、調律師さんにお任せするもの、
あるいは、シンセサイザーや電子ピアノのように、
楽器(機器、テクノロジー)依存のものと違って、
奏でる音符以前の「音」そのものに対する
責任感、のようなものが、
とても大きいのだなぁ、と思った次第です。
そして、そのことは、
その日、そのときの、会場や
お天気や気持に応じた
音階の微々たる微調整もできるような気がして、
音楽家の在りかたとしては、
より自然な姿に近く、
自然な表現ができるのではないか
感じた次第です。
それでは今日は、この辺で。
いつもお読みいただいて、
どうもありがとうございます。