パットメセニーと矢野顕子さん共作のPRYERという曲について
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春の空、近所にて
プロの料理人をお迎えして開催した春のワイン会、
あとかたずけも終わり、余韻の中に浸りながら、
ほっとしているところです。
ご参加の皆さまの笑顔がとっても素敵で、励みに
なるなぁ、としみじみ思っているところです。
ミチカホールミニライブでは、最後に、「PRAYER」(祈り)
という曲を演奏しました。
矢野顕子さんとギタリスト、パット・メセニーの共作です。
1992年に公開された矢野さんの音楽ドキュメンタリー映画
「スーパーフォークソング ピアノが愛した女」に
収録されています。
あまりにも美しい曲なので、当時、行きつけのBarで
カホ姉さんと演奏したのを思い出します。
いつもミチカホールで色々なアーティストの楽曲を
カヴァーをするとき、イントロ、間奏、基本のコードを
コピーしたら、実際の演奏は、自分たちの感じたまま、
音源とは違ったテンポや尺、音使いで演奏します。
ところが今回の「PLAYER」は、参考にしたのがライブの
アンコールで、矢野さんの弾き語りの音源、ということもあり、
譜面に起こしての完全コピーで演奏しようと思ったのです。
細かい音使いはさておき、コピーしていると、意表をつく音、
それでいて、魂の奥底をそっと揺さぶりながら労るような
テンションコードの美しさを改めて発見しました。
昔から、カッコイイ和音や音の重ね方など、音楽を
聴いていて「これは!」と感じたところは、
楽譜があるものなら買ってきて、無いものなら耳コピー
して分析するのが好きでした。
イントロ → Aメロが始まって4小節目の不思議な和音、
これがサブドミナントコードにして借用和音の「A#11」
というコードです。
Keyを「C」で書くと、「D#11」となります。
「ドレミファソラシド」のCスケールにファ#(#11)の音、
という普通なら出てこない音が出てきています。
協和しない音、ともいえますが、出てくる場所と、
音の重ね方によっては、なんともいえない雰囲気を
醸し出す音、和音となるのです。
この曲の魅力は、この音に集約されている、とさえ
感じるのは、私だけでしょうか。
歌詞は、特定の人を思ったものでありますが、
恋愛対象や親子の愛も超えた、普遍の愛、
宇宙の愛、魂からの願いが、この和音に集約
されているように思えます。
1992年に制作された音楽ですが、いまの時代にこそ
ぴったりの曲だと感じます。
作詞:矢野顕子 / 作曲:Pat Metheny
夕暮れの光が溶けて消えないうちに
あなたの名前を呼んでみる
ゆれうごく街 ひとりたたずんでいる時
あなたのことを 思ってる
*時を越え 空を越え たどりつくから
降りつもる悲しみに 負けることなく
私の目が閉じられてゆく時が来ても
あなたの声も 指先も 心も
愛に包まれているように
*繰り返し
祈ることだけ
今 強く願うことだけ
あなたが 今日も 明日も いつまでも
愛に包まれているように
それでは今日は、この辺で。
いつもお読み頂きまして、
どうもありがとうございます。